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2015.08.28
HIRO KIMURA氏特別講演会

「どんな場所でどんな人と出会えるかは、自分次第ですから」

と、出だしから熱く語ってくださったのは、フォトグラファのHIRO KIMURAさん。

 

 

今日はHIROさんによる“写真展『CUBA』”と展示会場内での“講演会”といった2本のイベントが開催されました。

 

 

 

HIROさんはバンタンの卒業生です。

スタイリスト学科を卒業してNYに渡りアシスタントを経験。

帰国後、東京コレクションをはじめスタイリストとして活躍された後、2008年にはフォトグラファに転身されるといったマルチな活躍をされています。

 

フォトグラファとして手がけたアーティストは、矢沢永吉氏や渡辺謙氏、三浦春馬氏や松本潤氏、石原さとみ氏や水原希子氏など。。。

 

誰もが一度は見たことのあるはずのアーティストばかりです!

 

 

 

まずは今回の写真展『CUBA』についての説明から話してくださいました。

 

CUBAという国って、共産圏なんですよね。

わかりやすくいうと、“国民は皆平等”、配給制度があり物資が配られている、といった生きるための競争が生まれにくい、つまり、様々なものが発展し辛い世界。

僕から見たら正直マイナスに捉えてしまうんですけど、

現地ではそれが平和だとされている。

 

一方でスパイや娼婦が町のいたるところに潜んでいたり、

裕福な人がわざと貧相な格好をしていたり…

すごく特殊な環境なんです。

 

そんな環境ならではの街の様子や、

CUBAという国のもつエキゾチックさを表し、

いろんな人に今のCUBAを知ってもらいたい。」

 

参加者の方からは、作品や展示会に関しての質問が。

 

---女性のおしりの写真が印象的なんですが、撮った経緯などを教えて下さい。

CUBAにおける女性の魅力って、おしりなんですよね。

日本で言うと、顔になるんだろうけど

そういった習慣や文化の根本的な違いを切り取って表現しました。

 

撮影の時は30分くらいずっと、その人の後ろに張り付いていましたよ()

 

 

 

「だれでも撮れる写真は撮らなくてもいい」というHIROさん。

 

「ただ風景や人間をとるだけではつまらない。

なぜって、そこには人と社会とをつなぐドラマが写っていないから。

 

自分にしか撮れないもので、そこに奥行きや美しさを表現していきたい」

 

---日本は格差社会だと思うのですが、CUBAから帰国後、現地と比べて日本社会に対して改めて思ったことはありますか。

「何を格差とみるかですよね。

それよりは、努力できる身体があるうちは努力すればいい。

それができないで、何が格差とか、勝組とか負け組とかなんだって思う」

 

---格差って必要だと思いますか。

「必要だとは思わないけど、どうしても生まれてくるものなんじゃないかな。

 

むづかしいけど、そこに対して否定する理由も思い浮かばないしね」

 

 

 

HIROさんから発される言葉には、

厳しさの中にも、ものごとに対しての熱さが感じられます。

参加者のみなさんが話を聞く様子も真剣

 

28才の時に、ずっと憧れていたアーティストの

スタイリングをさせてもらったんです。

“絶対にその場でサインもらわないって約束するなら1回だけ”

って条件付きで()

その時に、この人にもっと近づける仕事がしたいって思って、

スタイリストからカメラマンに転身を決意したんです。

今までの経験をゼロに戻して、原点から努力だけで頑張ろうって。

 

それで、そのアーティストにお礼の手紙を書いたんです。

“そう思わせていただいてありがとうございます。

今度はフォトグラファとして、あなたとお仕事させていただけるように努力します”って。

 

それでずっと目を付けてくれていたんですよ。」

 

 

 

 

実際にHIROさんはその後、

フォトグラファとしてこのアーティストのポートレートを撮影されています。

 

「後にそのアーティストと話す機会があって、その時言われました。

“頭がいい悪い、お金があるない、できるできない、とかではなくて、

自分の行動だけでこういったところに来れた、ということをあなたは証明している。

だからこれからも頑張りなさい”って。

すごく嬉しかったですね

 

こういった経験をされているHIROさんだからこそ、

厳しい言葉の裏に、ご本人の努力や生き方が感じられました。

 

 

「写真って、構図やライティングではなく、

人としてどう撮るか、撮られる方の思いやこれまでの生き方と対峙できるか、

だと思っています。

たくさんチャレンジして挫折して、そうして人の気持ちがわかる人は、

どの仕事からも必要とされるはず。

だから、人を撮る時、

“その人の気持ちを汲んで背中を押してあげる”

ことを一番大切にしています。

そしてその写真が、見てくれた方の何かのきっかけになったり、

励ましになったりしていたら、最高だと思う。」

 

将来的にはフォトグラファとしてだけではなく、

映画監督として人々の心に響く作品を作りたいと話していたHIROさん。

 

 

 

今回の展示会では、HIROさんの写真集にサインをいただけるというサービスも!

同じクリエイターを目指す参加者の方に、

とても気さくに話しかけてくださっていました。

 

締めくくりとして、

「チャレンジと努力を続けて、

そこで味わう英華や挫折も自分のものに変えて、

素敵な人間になっていってください」

という、深いお言葉をいただきました。

 

HIRO KIMURAさん、貴重なお時間、

 

ありがとうございました!

 

 

 

 

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