スクールニュース
HOME > スクールニュース > インタビュー > ファッションデザインコース卒業生 上野 万里奈さん キッズブランド「MOONSKIP」POPUPイベントに訪問&ご本人インタビュー!
- ファッション
- 2023.03.23
- ファッションデザインコース卒業生 上野 万里奈さん キッズブランド「MOONSKIP」POPUPイベントに訪問&ご本人インタビュー!
バンタンデザイン研究所 キャリアカレッジ2020年度卒業生、上野 万里奈さんのキッズブランド「MOONSKIP」POPUPイベントを開催されました。
イベント開催に伴い、バンタンへ入学したきっかけから・ブランド立ち上げ・今後のヴィジョンまでロングインタビューでお応えいただきました!!
▼POPUPの会場とデザイナーの上野 万里奈さん
───ブランドの立ち上げ・そしてPOPUPイベントの開催おめでとうございます!
まずは、MOONSKIPのブランド名の由来をお聞かせください。
「MOONSKIP(ムーンスキップ)は、お子様の「成長や発展(=ムーン*)」に寄り添いながら、お子様が自分で今までできなかったことができるようになった時や、夢中になって何かに取り組めた時に、身も心も軽くなって「スキップ」したくなるような瞬間を沢山届けたいという想いを元に設立したブランドで、その想いがそのままブランド名の由来になっています。*月の満ち欠けは「成長や発展」の象徴といわれています。」
───MOONSKIPはどのようなことがきっかけで作られたブランドですか?
「私の原体験がムーンスキップを作るきっかけになっています。私は自然豊かなドイツで幼少期を過ごしたのですが、その頃に、日常の身近な暮らしから、何かを自分でできる喜びや、自分の好きなことに集中していた記憶が今でも残っています。例えばピッチャーからコップに水を入れることができるようになるまで、何度も自分で練習をしたり、おままごとでは、小さな陶器のコップとお皿に、庭に実ったラズベリーをのせたりして、友人と小さな日常生活を再現して遊んでいました。そのような原体験から、日常生活の中で、子どもたちが自分で『できた』という喜びや自信に繋がるきっかけ、また『知りたい』という探究心を促進できるようなきっかけをつくりたいと思うようになっていました。衣服は毎日身につけるものだからこそ、日常生活の中に溶け込み、子どもにもそのようなきっかけを作れると感じ、ムーンスキップを立ち上げました。」
▼『絵合わせTシャツ』と上野さん
───ブランドのコンセプトを教えてください
「自分で『できた!しりたい!』を育む子ども服。
ムーンスキップは、日常生活のささいな瞬間だけれど、お子様にとって自信が芽生える、自分で『できた!しりたい!』という今後の人生にとても大切な瞬間の積み重ねに寄り添い、遊び心をもちながら自分でその『できた!しりたい!』という瞬間を育むことができるような仕掛けのある子ども服を作り、届けています。」
▼『絵合わせTシャツ』とミニ絵本
───商品についてのこだわりなどをお聞かせください。
「ムーンスキップの初プロダクトは、お子様が自分で楽しくTシャツを折り畳みやすくなる『絵合わせTシャツ』です。
Tシャツを折り畳んでいくと、表と裏のデザインが合致して一つになることで四葉のクローバーが完成する仕掛けです。
2歳〜3歳のお子様は小さいものに興味が出てくる時期なので、その成長にあわせて、絵合わせTシャツの四葉のクローバーはあえて小さなデザインになっています。
また、折り畳むという行為は教育要素が強くなりがちですが、強制的に学ぶのではなく、日常生活の中で楽しく遊び心を持って取り組んでいただけるように、おしゃれなデザインを心がけています。例えば、折り線部分は、折り線っぽさを極力なくし、ボタンや鎖のようなデザインにしています。
Tシャツの素材も、お子様の肌に優しいオーガニックコットンを100%使用しています。」
▼『絵合わせTシャツ』の折り畳み方
▼たたみ方を実践してくださった上野さん
▼畳むと四葉のクローバーが完成!!
───商品に付いてくるミニ絵本や、付属のショップカード・チラシなどのこだわったポイントをお聞かせください。
「ムーンスキップでは、子ども服だけではなく、すべての体験(ショップカード、チラシ、ミニ絵本など)において、常にお子様の目線で、自分で『できた!しりたい!』を応援するデザインを心がけています。
ショップカードは、お子様が楽しく糸通しであそべるデザインになっています。ショップカードの縁に丸い穴がいくつか空いていて、そこに糸を通せる仕掛けです。糸通しは、両手それぞれで別の動きが必要で、かつ糸を小さな穴に通していく細かい作業なので、お子様の手先が器用になるといわれています。
チラシも、お子様が塗り絵やお絵描きを出来る紙で、かつ親御様に向けたショップ情報も記載しています。
絵合わせTシャツをご購入いただくとついてくるミニ絵本は、お子様に身の回りの素材に興味をもっていただけるように、日常生活でよく目にする材質を使って制作されています。例えば絵本に登場する木の部分を例に挙げると、木の幹はダンボールを、葉っぱはティッシュを使って制作しています。また絵本の内容は、より楽しんで絵合わせTシャツを折りたたみやすくなるように、Tシャツのデザインと関連したストーリーになっています。」
▼糸通しができるショップカード
▼絵合わせTシャツをご購入いただくとついてくるミニ絵本
───キッズブランドを作る上で大変だったことや、やりがいはどんなところでしたか?
「紙面上でデザインしたものを、形にするまでの工程が大変でした。絵合わせTシャツを折り畳むことで、表裏の柄が一致し、四葉のクローバーになるという仕掛けは、表裏の絵が数センチずれてしまうと実現できません。工場の方々にご協力頂き、裁断・プリント・縫製の順序ややり方に工夫を重ね、度重なるプロトタイプ(試作)を経て、約2年かけて完成しました。
やりがいは、ムーンスキップの洋服を通して、お子様が『できた!』と喜んでいる笑顔や、親御様とお子様の楽しそうな会話を見ることが出来た瞬間です。そのような親御様とお子様の笑顔や喜びのためにこのブランドを立ち上げたんだな、と実感します。」
▼絵合わせTシャツ
───MOONSKIPはどんな方に届けたいブランドですか?
「お子様に対して、自主性を大切にしてほしい、色んな世界を楽しんでもらいたいと感じている親御様や、自分で夢中になって何かに取り組むことが大好きなお子様に届けたいブランドです。世界中の親子に、自分で『できた!しりたい!』という楽しさと喜びを味わっていただきたいです。」
───今回の代官山 蔦屋書店でのPOPUPイベントを行うことになった経緯についてお聞かせください。
「代官山蔦屋書店は、親子のトレンドリサーチの為によく訪れていました。そこで、仲良くなったスタッフの方がキッズフロアのご担当の方をご紹介してくださいました。ムーンスキップの商品や想いをお伝えしたところ、ご共感をいただけ、ご一緒に『じぶんでできた!』フェアを開催することが決定しました。」
▼POPUPのイベントの会場となった代官山 蔦屋書店
▼POPUPイベント会場の様子
───POPUPイベントの内容はどのようにして決められたのですか?
「お子様が自分で『できた!しりたい!』という喜びをお届けしたいとお伝えしたところ、代官山蔦屋書店のスタッフの方が、「じぶんでできた!」フェアにしようとご提案してくださりました。ムーンスキップの子ども服だけでなく、フェアのコンセプトである「じぶんでできた!」に合わせて絵本も選んでくださっています。」
▼「じぶんでできた!」フェアの様子
───今回のイベントでいただけた嬉しい反響はありましたか?
「今回、初めてムーンスキップの為に訪れてくださった方、ムーンスキップの絵合わせTシャツを折り畳みたいと試してくださったお子様、海外でも販売があるか尋ねてくださった訪日外国人の方、これからも応援しますとお声をかけてくださった方など、色々な人にお越しいただきました。様々な接点でムーンスキップを知り、ブランドのローンチ当初から応援してくださっています。」
───今回のイベントを経て上野さんご自身が感じたお気持ちをお聞かせください。
「実際、イベントで直接お話しすることで、親御様とお子様のニーズが色々と見えてきました。また、海外の方々からのニーズもあり、今後は海外展開を展望に入れていきたいと思いました。
ブランド立ち上げ当初から応援してくださる沢山の親御様、お子様から嬉しいお声を頂くことができ、改めてそのような方々に、良かったと思って頂けるブランド体験を届けようと思いました。」
───今後のイベント情報やご展望などをお聞かせください。
「今後は、阪急百貨店でブース出展をおこなう予定です。また、『絵合わせTシャツ』のカラー展開を予定しております。更に、自分で『できた!しりたい!』をベースに新しい商品も展開予定です。海外からのご依頼もあったため、海外へのEC販売も検討しています。」
───続いて、上野さんのご経歴について教えてください
「ドイツのモンテッソーリ幼稚園を卒園。高校・大学を日本やベルギー、シンガポールで過ごしました。早稲田大学国際教養学部を卒業後、企業にて、子ども向けプログラミングイベントの主催や、子ども向けプロダクトの事業開発をリードした後、子ども服ブランド『MOONSKIP』を立ち上げました。」
───ファッションデザインの学びを始めようと思ったきっかけは?
「衣服は毎日身につけるものだからこそ、日常生活の中に溶け込み、子どもの『できた!しりたい!』を自然に促すようなきっかけを作ることができると思いました。実際に物を作ることで、想いをさらに人々に伝えていきたかったので、子ども服のブランドを立ち上げたいと考えました。なので、入学当初からムーンスキップを立ち上げることは決まっていたのですが、自分のアイディアや想いを人々に伝えていくために、それを可視化する技術が必要だったため、ファッションビジネスを学び始めました。」
───数あるファッションスクールの中でバンタンを知ったきっかけ、そして、ご入学を決めた理由についてお聞かせください。
「ファッションとビジネスの両方を学べるところが魅力でした。講師も現役でご活躍されている方々なので、良いインスピレーションや起業に向けてのモチベーションをもらえると感じたからです。ブランド立ち上げの過程において、講師の方々のご経験を聞いて、実践的な方法が学べそうだと思い、入学を決めました。」
───入学前後でのギャップはありましたか?
「講師・スタッフの方々が想像以上にフレンドリーで、親身になって相談に乗ってくださいました。また、授業中は、一人ひとりのブランド立ち上げの要望に沿ってアドバイスをいただきました。」
───印象的な授業やエピソードについてお聞かせください。
「私は子ども服を学ぶことに特化していたので、デザインの授業でも、教材やアドバイスにそのような要素を入れてくださいました。また、休み時間にも、授業ではカバーできない細かいテクニックを惜しみなく教えてくださいました。また、実際に布などの素材を購入できるパートナー企業や最新のエクスポ(展覧会)情報の共有など、ブランド立ち上げに必要な実践的なサポートをしていただきました。」
───プロ講師はいかがでしたか?
「卒業後に活躍することを大前提としたアドバイスは、とても実践的で的確でした。どのプロ講師の方々も、フレンドリーで楽しくサポートしていただき感動しました。」
───卒業後もプロ講師・クラスメイトとの関係は続いていますか?
「卒業後も、スタッフの方には、時々ムーンスキップの状況を報告させていただいています。また、クラスメイトの中には、同じように子ども服に興味をもっている仲間もいたので、今でも有益な情報の交換や近況報告をしています。」
───在学中に思い描いていたキャリアはありましたか?
「入学前から、子ども服ブランドの立ち上げを決めていました。子どもが自主性や好奇心を追求できる仕掛けのある子ども服を作りたかったので、在学中に考えた服は、すべてムーンスキップのブランド、コンセプトに合うようにデザインをしていました。」
───今の活躍にいかせている学びはありますか??
「ムーンスキップの立ち上げを具現化していく中で、それぞれの分野でご活躍されるプロ講師にアドバイスをいただく環境がたくさんあったので、今のムーンスキップがあるのは、バンタンのおかげです。」
───これからファッションの道やブランド独立を目指す方に一言応援メッセージをお願いします。
「ブランド独立の過程で、何度も挫けそうになることもあると思いますが、自分の心を信じて追い続けてほしいと思います。こういう世界になったらいいな、という想いは最初は小さなものかもしれませんが、行動に移し人に想いを話していくことで、共感して一緒に応援し、喜んでくれる人たちが必ず増えていくと思います。一つの行動から始まるその先の展開を是非楽しんでいってください。」
【PROFILE】
上野万里奈
ドイツのモンテッソーリ幼稚園を卒園。高校・大学を日本やベルギー、シンガポールで過ごす。早稲田大学国際教養学部を卒業後、企業にて、子ども向けプログラミングイベントの主催や、子ども向けプロダクトの事業開発をリード。2021年バンタンデザイン研究所ファッションデザインコース卒業。子ども服ブランド『MOONSKIP』を立ち上げ。
https://www.instagram.com/moon_skip/
HP
note
バンタンデザイン研究所キャリアカレッジ ファッションデザインコースでは上野さんのようにブランドデビューを目標とする方向けのカリキュラムを用意しております。
ご興味がある方や、キャリアチェンジをしたい!ブランドを立ち上げたい!けど、何から始めれば良いかわからない、そんな方向けにまずはお気軽にご相談いただける情報収集型のガイダンスをご用意しております。是非皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※フォームからご予約の方には、ご予約内容の確認・準備物等のご連絡のためお電話もしくはメールにてご連絡をさせていただきます。