23.09.08 24.04.03 更新

【卒業生インタビュー】キッズシューズブランド「3elves(スリーエルフ)」秋の新作発表に向けた初のモデル撮影&デザイナー史 セイさんへインタビュー!

学生インタビュー
東京校

バンタンデザイン研究所 キャリアカレッジ卒業生、史 セイさんのキッズシューズブランド「3elves(スリーエルフ)」、秋の新作発表に向けた初のモデル撮影に密着&御本人にインタビューをしてきました!

 

 

──ブランドローンチおめでとうございます!ブランド名の由来を教えてください。

 

「革靴を作ろうとした当初、まだ素人の私は色々な挫折を経験し、諦めようと思った時、娘に読ませたグリム童話の中に、《The Elves and the Shoemaker》(エルフと靴屋)というお話に感動されました。靴職人のおじいさんは優れた靴作りで愛されましたが、靴が丈夫すぎて街中の人々は靴を買い替えの必要がなくなり、注文が途絶えてしまいました。靴作りを諦めようとした時に、おじいさんがエルフたちの助けを受け、自分のスキルを磨き店を再繁盛させました。私も靴ブランドの立ち上げに、たくさんの靴職人さんや色んな方々からのサポートを受け、感謝の気持ちでいっぱいです。その靴を履く子供たちも感謝の心を持ち、優しい大人へ成長することを願って、3elves(スリーエルフ)というブランド名を選びました。」

 

 

3elves(スリーエルフの革靴

 

 

 

 

───ブランドに込められた思いをお聞かせください。

 

「おしゃれで履きやすい子供本革靴を手頃な値段で提供することを目指しています。海外では子供たちが本革靴を普段履きにしており、多くの有名な子供本革靴ブランドも存在しています。一方、日本では街を見渡してもスニーカーが主流であり、革靴を日常的に履いている子供はほんの僅かです。私はクラシックで少しノスタルジックな雰囲気の服が好きで、娘にそのような服を作っていました。やっぱりコーディネートにはおしゃれな革靴がよく似合うと思います。店を回って探しましたが、多くの革靴は合成革が使われており、おしゃれながらも子供の足をしっかりサポートできなかったり、柔らかすぎたり、底が薄っぺらか厚すぎたりするものが多かったです。また、合成革の靴は数回履くうちに皮が剥がれて硬くなってしまい、娘に嫌がられました。さらに、本革の革靴は1万円以上する高価なものが大半で、しかも黒い学生靴のようなデザインが多く、あきらめざるを得ませんでした。そこで、『スニーカーと合成革以外にも子供に革靴の選択肢があります!成長の思い出として残るような愛着のある一足、本革靴を作りたい』という考えが芽生えました。」

 

 

▼デザイナーの史 セイさんとお子さん

 

 


 

 

───商品のこだわりをお聞かせください。

 

「おしゃれと子供の足の健やかな成長を両立するデザイン、子供の足に適した柔らかい革素材、多くのお客様が手に入れやすい価格にこだわりました。シンプルでクラシックなデザインが、小さなお子様履いたらおしゃれだと考えています。そのため、ローファーに配色のステッチを施したり、ワンストラップのバレエシューズのストラップ位置を微調整したりするなど、クラシックなデザインにさりげない変化を加えています。また、革靴生産段階に余った革を利用してカスタマイズ可能な記名タグを作り、遊び心を忍ばせたアクセサリーとして提案しています。子供の足の特徴に着目し、柔らかくしっとりとした触感の革をアッパー素材に使用し、スエード素材も取り入れています。ライニングとインソールには毛穴の大きい豚革を使用し、通気性に優れており、子供の発汗量が多いことを考慮しています。さらに、ゆとりのあるつま先や、内股やX脚の予防に役立つしっかりしたかかと芯、幼いお子様でも簡単に脱ぎ履きできる工夫も盛り込んでいます。価格に関しては、本革素材の採用や手作業のため、値段が上がってしまうことが避けられませんでした。それでも、手ごろな価格で提供するという初心を忘れたくなくて、設計から生産、包装、輸出輸入、販促まで、出来る限り中間業者を介さず、D2Cのビジネスモデルで3elvesから直接顧客にお届けすることにより、全体的なコスト削減を実現しました。本革が高価というイメージを払拭し、より多くのお子様に本革靴を履いていただきたいと考えています。」

 

 

 

 

───今回の撮影のきっかけや背景をお聞かせください

 

「秋新作の発表に向け初のモデル撮影で、SNSにてキッズモデル募集を行い、ありがたいことに、大勢の方からの応募が有りました。その中からブランドイメージに合うモデルさんを選定し、撮影を行いました。」

 

 

▼秋の新作発表に向けた撮影会

 

 

 

 

───撮影に向けこだわったところはありますか?

 

「革靴を履いてもらい、子供たち自然な反応や動きやすいシーンを撮りたいと思っています。また、靴にあわせてコーデ用のお洋服はすべて自分でデザインして手作りしました。」

 

 

 

 

───撮影にはバンタンのフォトグラフィコースの山田講師が撮影に入られていたり、ヘアメイク科の在校生しゅんさんが担当されていたりとバンタンならではのセッションを実現しているところが印象的でしたが、どういった繋がりで依頼されたのですか?

 

在学時ファッションビジネスを担当の加藤講師が、今回フォトグラフィコースの山田講師を紹介してくださりました。山田講師はバンタン校舎での撮影場所のアレンジまでしていただきました。しゅんさんはまた別の繋がりで、スタイリスト課の学生さんの撮影に娘がモデルとして参加しましたので、そのスタイリスト課の学生さんからヘアメイクのしゅんさんを紹介してくれました。また、今回撮影に手伝いに来てくださった小林さんも当時私のクラスメイトでした。本当に、バンタンに入ったきっかけでいろんな繋がりができて、自分の夢に近づけました。」

 

 

 

 

 

 

───バンタンでの学びを選ばれたきっかけ・史さんのご経歴を教えてください。

 

2011留学で来日、東北大大学院経営学専攻卒業後、大手重電メーカーで7年間グローバル調達を担当しました。娘が生まれたきっかけに子供服作りにハマり、もっとデザインのことを学びたい、特にアパレル業界のことをもっと知りたいと思い、バンタンに入学しました。一年間という短い時間ですが、一つ小さい分野に留まらず、発想から、デザイン、パターンづくり、縫製、そしてブランド立ち上げ、マーケティングなど、一貫して幅広くファッションの世界を学べたことが魅了でした。

 

 

───実際にご入学されていかがでしたか?

 

「今までの経歴とのギャップが大きかったので、想像以上に大変でしたが、これまで触れたことのないファッションデザインの世界は非常に新鮮であり、毎週の授業はとても楽しみにしていました。先生方は皆フレンドリーで、私が子供ファッションについて学びたいとの希望にも応えて、専門の子供服に関する書籍を提案してくださったり、授業後には遅くまで企画について相談にのっていただいたりと、温かなサポートをいただきました。また、クラスメイトたちも様々なバックグラウンドを持ち、おしゃれな作業着を作りたい人や、音楽ロックのファッションを追求したい人、着物を日常のファッションに取り入れたい人、単に自分の好みの服を作りたい人など、個性的な目標を持って集まっていました。授業のない日でもクラスメイトと一緒に日暮里に生地を選びに行ったり、ファッションの展示会に参加したりすることで、まるで学生時代に戻ったかのような気持ちで、何かに夢中する感覚が楽しかったです。」

 

 

───印象に残った授業や講師からのメッセージはありますか?

 

「私はファッションビジネスの授業中、先生の実際の経験に基づく“雑談話”が好きでした。実際のファッション業界で起きた出来事や、先生の”失敗談”から、アパレル業界の内側を垣間見ることができました。例えば、ベルトひもを結んだまま出荷するはずの服が実際には結ばれていないまま出荷され、アルバイトを雇ってひもを結び、なおす必要が発生し、数百万円の損失を被る事態がおきたり、海外工場とのコミュニケーションミスによって誤った製品が作られてしまったりと、些細なミスも許されないことから、仕様書を相手が誤解することなく理解してもらえるようどのように作成するかを学びました。同時に、アパレル業界の厳しさも理解することができました。また、デザイナーはデザイン力だけでなく、プレゼンテーション能力も重要だという言葉も印象的でした。自分の商品やアイデアを他人に魅力的に伝え、共感を得るためのスキルは、今でも学び続けています。」

 

*仕様書…洋服を作るために必要とされる指示書のこと。

 

 

▼実際に採用されたヴィジュアル写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───今後ブランドで挑戦したいことはございますか?

 

もっと、デザインのバリエーションを広げ、おしゃれな通学用の本革靴や冬向けのブーツなどを継続して展開していく予定です。また、多くの子供たちに実際に履いていただき、質感や品質を実感してもらいたいので、ポップアップショップを開催する計画を進めています。

 

さらに、少し先の未来を見据えていますが、本革靴に合う子供服も展開していけたらと思っています。

 

 

 

 

PROFILE

 

史セイ

 

平成元年生まれ、2011留学で来日、東北大大学院経営学専攻卒業後、大手重電メーカーで7年間グローバル調達担当を経て、娘が生まれたきっかけに子供服作りに魅力され、子育てしながらバンタンデザイン研究所キャリアカレッジにてファッションデザインを学び、個人で子供靴ブランド3elves(スリーエルフ)立ち上げに至る。

 

 

HP

 

https://3elves.jp/

 

Instagram

 

https://www.instagram.com/3elves_official/

 

 

日本の子供靴業界に、「新しい価値」を生み出すために、バンタンのコミュニティや学んできたことを最大限に活かし、形にされている史さん!バンタンデザイン研究所キャリアカレッジ ファッション分野のコースでは史さんのようにブランドデビューを目標とする方に向けたカリキュラムを用意しております。

 

ご興味がある方や、キャリアチェンジをしたい!ブランドを立ち上げたい!けど、何から始めれば良いかわからない、そんな方向けにまずはお気軽にご相談いただける情報収集型のガイダンスをご用意しております。是非皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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