23.06.15 24.04.03 更新

【卒業生インタビュー】ファッションブランド「GENIE(ジーニー)」デザイナー 宮内 菜々子さん

学生インタビュー
東京校

今回は、20233月にファッションデザインコースをご卒業されたばかりの

 

宮内 菜々子さんがファッションブランド「GENIE(ジーニー)」を立ち上げられたということで、ブランドローンチイベントにお邪魔しました!

 

 


 

 

───まずは、ブランドローンチおめでとうございます!ブランド名の由来を教えてください。

 

 

「ありがとうございます!ブランドGENIE(ジーニー)はあのランプの魔人が語源です。私のルーツであるバレエをベースにしたフィットネス/コンフォートウェアのブランドですので、この服を着て動くことで『願いを叶えてくれ』、着た人の内面の美しさを更に引き立てる『最高の友達』という意味を込めました。明るく楽しい印象ですが、人を思いやる優しさが同居しているイメージがあることもこの名前を選んだ理由です。

 

 


 

 

 

───ブランドのターゲット、コンセプト、理念などについて教えてください。

 

 

「ターゲットはまさに私のような25歳以上のアジア人女性です。

 

自分自身が25歳を越えてみて、代謝や体型管理の方法が10代とは異なるということを感じました。自分のためにお金を使える自立した女性に、心地良く体を動かせるウェアを提供したいです。また、西洋的な美の基準も素敵ですが、アジア人としてその美しさをもっと誇っても良いのではないかと常々感じておりました。『今ここにいる私』自身が一番綺麗に見えるものは、やはりここにいる私が選んで作ったものだと思います。

 

コンセプトは『毎日を頑張るあなたのモチベーションに。機能性と美しさを求める女性たちヘバレリーナのヘルシーなライフスタイルをシェアします」』 私は幼少期からプロを目指してバレエの練習をしてきたのですが、怪我により諦めざるを得ませんでした。 その治療中にヨガやピラティスなどを行っていたのですが、ただ動くだけでかなり救われ、体を動かすことは心を動かすことでもあると思いました。また、フィットネスについて調べているうちに、既存の『強そう・ちょっと怖い』というトレーニング・フィットネス界隈のイメージにより、最初の一歩を躊躇する人が多いということを知りました。もっと多くの人々が気軽にフィットネスをしたくなるような、ただ『かわいいからこれを着たい』といったウェアにするため、バレエの持つアーティスティックかつ甘いイメージを組み合わせ、色や形、機能性にこだわった商品を制作します。

 

理念は『Outer beauty attracts, but inner beauty captivates(外見の美しさは人を惹きつけるが、内面の美しさは人を魅了する)』自分なりの生き方の基準を持ち、他者や自分自身に寛大で優しく出来る人にとても惹かれます。

 

私は学校の課題であっても、その他のプロジェクトでもあっても、常にデザインにおいて、自信や成長、自己愛等、精神性に反映する言葉を取り入れてきました。最近Vulnerability(傷つきやすいこと、弱さ、脆弱性)という言葉をよく使用するのですが、まさにそれこそが個性であり、強さと言えるのではないかと思います。痛みを知ることで人の気持ちにも敏感になって、優しく強くいられるのではないでしょうか。そういった意味で、前向きで成熟した女性たちへライフスタイルそのものを提案していくブランドになりたいと願っています。

 

 

 

 

 

 

───どんなものから着想を得て洋服を作っていますか?

 

「趣味や過去の経験から得ることが多いです。バレエや音楽、オペラなどの時間芸術とその儚さが好きで、私のインスピレーションにかなり影響を与えていると思います。また友人たちとよく一緒にいるので、彼女たちと話していることで得られるものも多いです。学校ではものづくりにあたって自分のルーツやアイデンティティを考え直す時間が多くあり、他人軸の美ではなく自分自身の軸を持って作品を作れば良いのだという確信を得ることが出来ました。

 

 


 

 


 

 

───イチオシのアイテムを教えてください。

 

 

「今回のイベントでもサンプルを提示した日本製の素材・工場で制作したトライアングルネックのブラトップ、キャミソールです。自分が作りたいもの、プロのダンサー、指導者の方々が欲しいものをヒアリングし、入学時から構想を練っていたものです。ある先生の授業で『日本人は胸元が本当に保守的、襟ぐりの開きすぎた服は絶対に売れない』とお伺いして、そんなことはない!と少しコンフリクト(葛藤)があったのですが(笑)、私自身がまず日本で胸元が開いたウェアを着て道を歩いて見た時にその恥ずかしさに気がついたので、日本仕様に同色のネットで素肌に寄り添うような知的なセンシュアルさを表現しました。

 

 


 

───今回のイベント実施のきっかけやこだわったことをお聞かせください。

 

 

「入学時から、卒業までにブランドを立ち上げ形にするということを公言してきました。また、フランス留学時からの音楽家の友人と何か一緒にやりたいねと常々話してきていたので、イベントの構想やコンセプトはわりとすぐに決まりました。そこで今回はバレエをルーツにした本ウェアのアート面にフォーカスすることにし、クラリネットとサックスの生演奏に合わせてブランドのご紹介をさせて頂きました。また、今回は実際の商品の販売を行なっておりません。何よりもブランドの世界観の共有と、他のブランドでは成し得ないオリジナリティあふれる心地よい時間で過ごしていただくことにこだわりました。

 

 


 

 


 

 

───反響はいかがでしたか??

 

 

「おかげさまで100名ほどのゲストにいらして頂き、とても賑やかなイベントとなりました。今回は商品の販売前に沢山の方々から忖度のないフィードバックをいただくことを目的の一つに掲げていたので、それを達成出来て大変嬉しく思います。沢山のご意見やご感想を受け、さらに良いものを作っていこうというモチベーションにもなりました。夜には着席式の演奏会も開催し、私自身も楽しませていただきました。日本の音楽業界はバレエ業界同様、プロになるまでの時間や費用に対し、経済的対価を受け取りにくいという現状がございます。アーティストの恩恵をタダで受けるのではなく、国内の芸術的教養を育てるという意味でも芸術に敬意を払う人が一人でも増えればと考えています。今後また分野や方法は違えど、今回のように様々な方にクラシック音楽と触れ合う時間を共有していきたいです。嵐に近い大雨の中、来てくださった皆様に感謝しています。

 

 


 

 

 

 

 

 

───イベントの撮影にバンタンのフォトグラフィー速習コースの卒業生の三上さんが撮影に入られていて、バンタンならではのセッションを実現しているところが印象的でしたが、どういった繋がりで依頼されたのですか??

 

 

「今回のイベントの開催に当たり、ポスターや宣伝の為のメインビジュアルの撮影が必要で、その旨を在学中にクラス担任の玉澤さんにご相談させて頂いたところすぐにフォト科の方々へ情報を流して下さいました。その際にご連絡を頂けたうちの一人が三上さんです。写真の美しさや雰囲気の伝え方は勿論ですが、撮影は常に楽しい雰囲気で行われ、かつ納品が翌日ととても早かったことに驚きました。ご一緒出来て大変光栄でした。

 

 

▼バンタンデザイン研究所 キャリアカレッジ フォトグラフィー速習コース卒業生の三上さん

 

 

 

 

 

 


 

───バンタンでの学びを選ばれたきっかけ・宮内さんのご経歴を教えてください。

 

「学校に入る前からフィットネスやバレエに関わる何かをしたいと考えていて、その中で漠然と『もっとかっこよくて大人が着やすいレオタードが作りたい』という気持ちがありました。東京都には『創業ステーション』という起業する方に向けたサポート施設があるのですが、そこにレオタードの事業計画書を持ち込んだ際に詰めが甘すぎると言われて、まずはアパレル商品の制作について学びたいと思いました。平日は働いていたので、それ以外の時間で学べる場所を探した際に出会ったのがバンタンです。学校に通ううちに、ターゲットをバレエのみに絞らず、バレエをベースにフィットネスやコンフォートウェアを扱うブランドにしていこうという構想を練るようになりました。

 

私は幼少期からヨーロッパ、アメリカ、東南アジアで勉強をする機会が多くあり、外交官を目指していました。ただ色々な方からお話を伺ったり、外務省でインターンをしていた際にあまり私の望む働き方ではなかったと気づいたので、大学卒業後は国内の一般企業に就職し、営業職をしながらバンタンに通いました。バレエは4歳の頃から教室に通っていて、文字通り私の人生の多くを占めています。両親はいつでも私の意志やアイディアを尊重し、支援してくれたので、色々な文化や人々と出会うたくさんのチャンスを得ることが出来ました。

 

 

───実際にご入学されていかがでしたか?

 

 

「想像以上にとても大変でしたが、その分多くを学ばせていただきました。この一年間で私はデザイン画、平絵の描き方、パターンの引き方や作成方法、裁縫のやり方・実践、企画書や指示書の製作方法、販売時の表示についての法的な知識などを学びました。数回授業を受けた際に、受け身でいると自分の欲しい知識を十分には得られないと思ったので、常に自分のやりたいことや知りたいことを明確にし、適切な質問を出来るように心がけました。週末のみの授業なので内容も多く『何をしに来ているのか、何を学びたいのか』を忘れないようにしないとあっという間だと思います。ただ、明確な目的を持つ人のみならず、何を作りたいのかわからない人に対しての講師の方々のアドバイスはいつも的確でしたので、そういう意味でもアパレル業界に関心のある方々にとって入学して損することは絶対にありません。最終授業でのクラスメイトのそれぞれの発表がとても個性的で楽しくて、それを聴くだけでも入った価値があると思いました。やる気のある方々と一緒に過ごすことはとてもモチベーションになりますし、私もみんなにとってそのような存在でいたいと思います。

 

 


 

───印象に残った授業や講師からのメッセージはありますか?

 

「バンタンの先生方、皆様方には本当にお世話になりました。技術的な面や知識をご教授頂いたのは勿論ですが、業界でのお話や励ましも頂き、得るものが本当に多かったです。島田先生は繊維のプロフェッショナルで、初回授業に布の性質を知るためにマネキンにピンを刺してドレスを作りそのドレープ感や扱いの違いを身をもって学んだことが楽しかったです。また、後期の授業では表示法や生地の詳細など実践的な知識も与えて頂き、現在の販売開始に向けて直接役立った知識でした。Chiyukiさんはご自身も世界で活躍するデザイナーなのですが、私が工場にサンプル制作を急に断られて困っている際に大きなサポートをして頂きました。本当に行き詰まりの状態でアドバイスを頂いて感謝を述べたところ、「アハハ!リスペクトは、感じればすればいい。今は、周りを気にせずにすることがいい。」と仰っていたことにお人柄が出ているなと思いました。

 

繊細で美しいお洋服作りやそのストーリー性をいつも尊敬しています。

 

 

 

 

───今後ブランドで挑戦したいことはございますか?

 

 

「まずはアパレルから、後にGENIEの名を冠した同じ理念を持つフィットネスジム・バレエスタジオの運営、食品事業へ手を広げることを将来的なビジョンとしています。自分自身にバレエのバックグラウンドがあることやメンタルヘルスに悩んでいたことを活かして、ライフスタイルそのものを提案できるような活動を行なっていきたいと考えております。長い目で見て、自分の活躍を社会に還元出来るようにすることが目標であり夢です。学校で学んだことを活かして、色々なことに挑戦していきたいです。また、やる気あふれるバンタン生のコミュニティのおかげで、素晴らしいカメラマンやメイクアップアーティスト、グラフィック、ビデオ制作の方々とお会いすることが出来ました。今後、私にお力になれることがあれば気軽にお声がけいただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

PROFILE

 

宮内 菜々子 Nanako Miyauchi

 

1996年生まれ、千葉県出身。明治学院大学を卒業後、大手自動車メーカーに入社。バンタン研究所キャリアカレッジ在学時は平日は専門商社にて営業職として働きながら週末に服飾を学び、卒業と同時に[GENIE(ジーニー)]立ち上げに至る。

 

 

HPhttps://bewithgenie.theshop.jp/

 

Instagramhttps://www.instagram.com/be_with_genie/

 

 

入学するときに掲げた目標を見事達成し、素晴らしいブランドを立ち上げられた宮内さん!!自分自身のバッググランドを活かし、出会った人とのつながりを大事にされている宮内さんだからこそ更にブランドを盛り上がらせ活躍されるのが楽しみですね!!

 

 

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