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2018.10.03
日本を代表するクリエイティブ・ディレクター佐藤 可士和さんの特別授業!「本質をつかむ」デザインの極意とは。

「博報堂から独立して、SAMURAIを設立したときからバンタンデザイン研究所に来ています。卒業生が入社したご縁もあって、18年くらい教えていますね」

 

 

 

今回は、日本を代表するクリエイティブ・ディレクター佐藤 可士和さんの講演会をレポートします!

 

 

 

佐藤さん「SAMURAIという会社では、デザインの力を使って、

社会に新しい価値や視点を提示しています。

特にコミュニケーション領域で大事にしているのはICONという考え方です」

 

 

THE ICON= LOGO

佐藤さん「いちばんの基本は、ロゴです」

これまでに手がけられたロゴの一部を紹介。

ユニクロ、セブンプレミアム、Tポイント、楽天、今治タオル、 カップヌードルミュージアム、三井物産、国立新美術館……など、

一目で分かる名だたる企業やブランドの名前が並びます。

 

THE ICON= PRODUCT

佐藤さん「普通は、ロゴまでと思われるかもしれませんが、プロダクトそのものもアイコンとなります。

例えば、ユニクロは、お店の中で使うものは全てユニクロのブランドイメージを表わすようにデザインしています。

ひとめで、ユニクロだと分かるようにアイコニックに作っています」

商品そのものもメディアとして捉えているのです。

 

 

THE ICON= SPACE

佐藤さん「建築もアイコンであり、メディアになります。

現在取り組んでいるのは、来春竣工する日清食品の新工場。

エントランスをカップヌードルの蓋をモチーフにデザインしています」

 

 

 

THE ICON= CITY

佐藤さん「街も、アイコンになります。SMAPが渋谷をジャックした時は、

車にカーカバーをかけ、自販機をジャックして、街そのものをアイコンにしました」

 

THE ICON= METHOD

佐藤さん「そして、方法論も。有田は、日本の陶器発祥の地として2016年に400周年を迎えました。

400周年プロジェクトのゲストクリエイターとしてパリで新作を発表するときに、

歴史的にも繊細な絵つけで評価されていた有田焼がこれまでにやっていなかったことを考えました。

それは緻密なデザインではなく、真逆ともいえるスプラッシュペインティング。

これは、それぞれ違う8社の窯元とコラボレーションした作品が「DISSIMILAR対比-」というひとつのシリーズになったもの。

窯元同士は本来はライバルでもあるので共通のデザインや手法を用いることはないのですが、

『ARITA』の伝統と革新という方法論で横串を通すことで、ひとつのアイコンとなった事例です」

 

 

 

 

ふじようちえんは、「園舎自体を巨大な遊具にする」

築年数が経過した「ふじようちえん」園舎の建て替えプロジェクトも、THE ICON= SPACEの一例。

 

佐藤さん「幼稚園って、綺麗なところはたくさんありますが、遊具が置かれていないと、いまひとつ幼稚園っぽくないという印象がありました。

遊具を取り除いてしまうと小学校や中学校の校舎とそれほど変わらないという印象です。

おまけに、遊具は、約1000万円ぐらいと高価なものも多いのにデザインもあまり特徴がない。

本質的に園舎だけで幼稚園だと思える空間は作れないかなと思ったんですね。

そこで、幼稚園児にとっては『学ぶ=遊ぶ』と考え、グランドコンセプトを『園舎自体が巨大な遊具』としました」

 

 

建築家とコラボレーションし、円盤のような園舎を提案。巨大な「屋根」が、第ニの園庭のようになっています。

また、自生していた木を活かし、窓を引き戸にしてすべて開けると空間が変わるといったフレキシブルなデザインに。

佐藤さん「これだけでも、すごく楽しいよね?

完成して、すぐに読売新聞の一面に掲載されました。

一般的に幼稚園の人数は確保するのはたいへんだと言われていますが、ふじようちえんは、募集するとすぐいっぱいになります。

また、ふじようちえんに入るために近隣に引っ越すご家族もいらっしゃるとのことで、土地の価格もあがったりしたと聞いています。

インパクトのあるものができると、情報が発信できるだけでなくて、ものすごいスピードで伝播していくのです」

 

 

考え方そのものをアイコニックに!

佐藤さん「アイコニックにすると人に覚えられます。逆に言えば、アイコニックじゃないものは印象に残りません。

物事をアイコン的に考えると、コミュニケーションスピードが劇的に速くなる。

こうした考え方を『アイコニックブランディング』と呼んでいます。

今の世の中は、情報が爆発しています。そうした中で目立たせていくことはものすごく難しい。

だからこそ、アイコニックにものごとを作っていくことで、パッと目に入り覚えてもらえると考えています」

 

 

 

そして講演会の後は、学生たちのポートフォリオを一つひとつ丁寧にチェック。

 

 

 

 

「この作品の良さが見えない。画一的にまとめるよりも、作品の良さが際立つように工夫したほうがいい」など、細かなフィードバックを与えてくれました。

 

 

 

 

小島さんは「とても参考になりました。自分の強みをさらに強く見せられるようにしたい」と、意気込んでいました。

 

 

 

 

 

最後に……「デザインなので、形や色も大事ですが、それは最後のタッチポイント。大もとの考えも、両方が大事です。

また、キレのいいコンセプトは急には出せません。いっぱい作らないと、本質をとらえる力は養われません。

とにかく、たくさん作っていってください」と、クリエイティブ業界を目指す学生たちにエールを送りました!

 

 

 

 

世界で活躍するクリエイターの貴重な視点を知ることができましたね。

佐藤さん、お忙しいところ、ありがとうございました!

 

 

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